旧五条楽園エリア・会津小鉄会元本部跡地の現在(いま)。京都駅東から菊浜地区がアートな街に。

2023年元旦 京都新聞 記事(岸本鉄平、柿本拓洋)

下京の会津小鉄会元本部跡地
任天堂創業家が取得
山内財団 芸術家らの拠点に

ゲーム大手、任天堂の創業家が率いる山内財団(京都市東山区)が、下京区にある指定暴力団会津小鉄会の元本部ビル跡地を取得したことがわかった。財団は跡地を含む約3000㎡を芸術家の創作拠点などとして整備する方針。

元本部ビル跡地は下京区の菊浜学区の鴨川と高瀬川に挟まれた住宅街にあり、計約700㎡。2022年10月13日付で山内財団が関連企業を通じて取得した。

同学区は、花札やトランプの製造販売から世界的なゲーム会社へと飛躍を遂げた任天堂の創業地。山内家は22年春、元本部ビル跡地の約100m南に保有する任天堂旧本社をホテル「丸福樓」(まるふくろう)に改修した。

周辺では、元本部ビル跡地を含む12ヶ所計約3000㎡の土地を既に取得しており、30年までのスケジュールで順次、整備を進める。

同日、京都新聞 記事

「菊浜に新しい街つくる」
会津小鉄会跡地 任天堂創業家の思い
集合住宅・アトリエ 多様な人交差

菊浜エリアは京都駅と四条河原町に挟まれたポテンシャル(潜在力)の高い場所だが、過去のイメージの問題もあり、開発が進んでいなかった。

アーティストや起業家、宗教者ら異なる人々が交差する拠点をつくり、文化創造やイノベーション(革新)の爆心地にしたい

まだ構想中だが、レジデンス(集合住宅)やアトリエの機能を考えている。現場は菊浜エリアで取得した最大の土地にで、プロジェクトの象徴的な場所になる。

では、現地へ向かいます。

河原町五条下る、河原町通を東へ入ります。

私がこの地に初めて来た2000年初頭、『五条楽園』のアーケードがこの辺りにあったと記憶しています。旧遊廓、赤線地帯でした。

「キコク食堂」の看板。

まだ行ったことのないお店です。

『サウナの梅湯』。今では有名になりすぎて聖地的なアイコン的な存在になっています。

若者への『銭湯ブーム』はここから始まったと、私は勝手に思い込んでいますが。

梅湯の横にバリケードが現れました。

少し前までは、近寄ることすらはばかられるエリアでした。

会津小鉄会元本部跡地です。標識等は何も掲げられていません。

事務所ビルがあった頃は、この敷地の前にパトカーがとまっていました。

更地の北側にはゲストハウス『リバーサイド高瀬』の看板が設置されています。

北に進みます。

並んで北には、宿泊施設らしき稼働していない建物。

一棟貸しの宿泊施設『慶有魚』

『慶有魚』とは、どういう意味なんでしょうか?

隣接して多国籍料理「GojoParadiso」。コロナ前は世界中からの訪日旅行者で溢れていました。

コロナ禍でずっと閉鎖したままです。

北進すると、『リヴマックス』のホテル。古い街並みにホテルが建設され始めた時は驚きました。

道を横にそれると、新たなお店らしき建物が。

1階はノンアルコール&カクテルバーのようです。 参照:PR TIMES

京都に「幾星 京都蒸溜室」IXEY Non-Alcoholic Spirits Kyoto Distillery & Salonが12月1日オープン!

築140年の京町家をリノベーションした、ノンアルコールスピリッツ専門蒸溜所と併設のノンアルコール&カクテルバーが誕生!オリジナルノンアルコールスピリッツ「miatina (ミアチナ)」は近日発売

喫酒幾星 2022年12月1日 10時00分

2Fの『MEFILAS』はWeb制作会社です。

近くには歴史的価値が高そうな建物。

隣には京都でよく見かける京町屋の宿泊施設「雲町家」

高瀬川沿いに戻りまして大人気のレバノン料理 『汽(ki:)』

2階にはタトゥー屋さん。

私が1年前に訪れた時は若い女性客・カップルで行列ができていました。人目につかないエリアでも、口コミさえあれば行列ができてしまう時代です。

現地撮影2022.10.1

ナン的なパンに包んで食べました。女性ウケはしそうです。

高瀬川の改修は京都市の財政が危機的状況でストップかとおもわれていましたが・・・任天堂創業家が管理する『山内財団』から3億円程度の寄付を受け2024年度完成のメドが立ちました。

日本経済新聞 2022年3月23日 20:20

京都・高瀬川整備、任天堂創業家財団から3億円寄付 

京都市は23日、市内を流れる高瀬川護岸を改修する「高瀬川再生プロジェクト」で任天堂の創業家が管理する山内財団から3億円程度の寄付を受けると発表した。市の財政が危機的状況で事業費の確保に苦心していたが、2024年度完成のメドが立った。

高瀬川は1614年に完成した運河。市は2010年度、護岸の損傷や老朽化に伴う漏水に対応するため、石の積み直しや漏水防止シートを敷設する整備工事に着手。上流の一之舟入から五条通までの約1.8キロメートルは20年度に完了した。22年度には五条通から七条通南側までの900メートルの区間が対象となり、同区間の事業費は5億3千万円に上る。

鴨川ビュー『川間食堂』

五条楽園界隈の象徴的なシンボルツリーだと思い込んでいます、この木、と印象的な黒い建物。

いまとなれば伝説のカフェ『エフィッシュefish』跡地に新たなお店ができていました。

お酒が飲めそうな雰囲気です。

会津小鉄会(元)本部跡地に戻ります。

敷地の反対側に回ると(高瀬川の反対側)

『おでん八千代』があります。

事務所ビルがあった頃、スーツケースのガラガラを引く訪日旅行者が多数歩いていました。

まさか、誰でも気軽に入れるエリアになるとは。。。

時代は変わるですね。

そこから南へ100m。正面通り

長らく閉まったままのホテル。

ホテル業もしている「アーキエムズ」のコーン。

ガラガラをひく訪日旅行者の姿が戻ってきました。

正面通に「丸福樓」(まるふくろう)。2022年4月1日開業でした。

『世界のNintendo』はここから始まりました。

中が少し見えました。マリオでも置いてほしいものです。

山内任天堂の文字。

かるた・トランプが世界につながっていくとは。この石像はなんでしょう?

ファミコン世代には感慨深すぎるエリアです。

「正面橋」からの鴨川の眺め。川沿いには宿泊施設が並んでいます。昨年、外資のファンドが建てたホテルに関する記事が新聞記事で出ていました。外資がどんどん菊浜地区に流入していました。普通の民家に海外の事業主の旅館業の標識が設置されていました。

※2022.4.28 日本経済新聞 記事より引用

ホテル投資回復 外資強気目立つ

京都市内に4月、高級ホテル「Genji Kyoto」(源氏京都)が開業した。鴨川のほとりという好立地に加え内外装のコンクリートに木目を浮き立せて和の雰囲気を出すなど、こだわり抜いたデザインが特徴だ。客室数は19で、平均客室単価の目安は5万円以上。総事業費は20億円弱にのぼる。源氏京都の開発には香港の複数の投資家が資金を出した。資産家の一人は日本を含むアジアで不動産開発の経験があり、高い宿泊需要が見込めるとして京都での投資を決めた。「コロナ後は高品質で衛生的な施設に長期滞在するニーズが高まる」とみる。

鴨川沿いの香港外資のホテル『Genji Kyoto』(2022年5月撮影)

高瀬川沿い、

カフェやクラフトビール屋さん、若者が始めたであろう新しいお店が見られます。七条通に向かい南に進みます。

七条通を挟んで北が『菊浜地区』、南が『崇仁地区』。通りを一本挟むだけなのですが、昔はお互いの地域の交流はほとんどなかった、と地元の方から聞きました。「都」であった京都には『心理的に遠い街』がたくさんあります。今だにご年配の方は近づけないエリアが多数あります。たった一本の通りを隔てて空気が変わったりします。

崇仁地区。

京都タワーは、もうそこに見えています。

街がどんどん更地になっています。

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