桜の樹の下には
俺にはその美しさがなにか信じられないもののような気がした。俺は反対に不安になり、憂鬱になり、空虚な気持になった。しかし、俺はいまやっとわかった。
おまえ、この爛漫と咲き乱れている桜の樹の下へ、一つ一つ屍体が埋まっていると想像してみるがいい。何が俺をそんなに不安にしていたかがおまえには納得がいくだろう。
新型コロナウイルスが
人通りや売上や
マスクを奪い去り
祇園の街から
人が消えました。
が、
が、
この3月に
奇跡のような
京都が生まれました。
街に
静寂が生まれました。
円山公園
去年の今頃は
乱痴気騒ぎでした。
見えました。
この先見る事ができないかもしれない
景色が見えました。
20歳の頃に読んだ
桜の樹の下には。
この美しさが
理解できないのも
今なら
よくわかります。
静寂があたりを包んでいます。
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