任天堂創業家が下京区『菊浜地区』を不動産開発
Yamauchi-No.10 Family Office2022年5月13日 09時30分 プレスリリースより
「山内財団」と「Yamauchi-No.10 Family Office」は京都市下京区五条周辺の「菊浜エリア」の再生・活性化を目的として、今後30年間を目途とする長期プロジェクトを推進していく
京都五条 菊浜エリア活性化プロジェクトについて
一般財団法人山内財団(以下、「山内財団」)およびYamauchi-No.10 Family Office(一般社団法人 Yamauchi-No.10 Family Officeおよび関連する法人の総称、以下「YN10」)は、これまで、京都市と連携した「高瀬川再生プロジェクト」及び、かつての創業ビジネスの旧本社跡地を活用した「ホテル丸福樓」の開業など、フィランソロピー事業の一環として、山内家にゆかりのある地域の活性化に取り組んでまいりました。このたび、山内財団およびYN10は、これら個別のプロジェクトをさらに発展させ、京都市下京区五条周辺の「菊浜エリア」の再生・活性化を目的として、今後30年間を目途とする長期プロジェクトを推進していくことといたしましたので、下記のとおり、お知らせいたします。
「菊浜エリア」に点在するかつての「遊郭」や「暴力団事務所」があった土地なども含めて活用
1 プロジェクトの概要
山内財団およびYN10は、取得している菊浜エリアの複数の土地・建物を基に、地域の文化発展のための社会貢献活動を進めて参ります。菊浜エリアに点在するかつての遊郭や暴力団事務所があった土地なども含めて活用し、菊浜エリアが新たな歴史を刻むために、地域の皆さまの声を聞きながら誠意をもって地域貢献・支援活動を行って参ります。
「菊浜エリア」は、かつて「花街であった歴史」や「それらにまつわる暴力団事務所等」が近年まであったことなど複雑な事情が絡まり、この数十年の間、京都市内における様々な環境整備や取組みがやや遅れていた側面があります。
(1) 菊浜エリアの特色
京都市五条周辺は、古くは源氏物語に登場する光源氏のモデルとされる源融(みなもとのとおる)の屋敷跡地があるほか、源義経と武蔵坊弁慶が出会ったとされる五条大橋があるなど、歴史的にも有名な名所が存在します。
他方、京都市五条の「菊浜エリア」は、近世以降においては、同エリアのほぼ中央を流れる高瀬川周辺が水運で賑わい、問屋街や職人街もあった一方で、いわゆる花街・色街としてお茶屋や遊郭なども置かれ、現在でもその面影を残している地域でもあります。そうした菊浜エリアは、かつて花街であった歴史やそれらにまつわる暴力団事務所等が近年まであったことなど複雑な事情が絡まり、この数十年の間、京都市内における様々な環境整備や取組みがやや遅れていた側面があります。しかしながら現在に至るまでに、法改正や行政・関係当局・地域住民・ボランティア等の皆さまの長年のご尽力により、そうした地域の事情が解きほぐされ未来に向けた発展の土台が築かれてきたと感じています。
(2) 私たちの考える取り組みの意義・方針
山内財団およびYN10は、任天堂の創業家である山内家によって設立され、先代たちの哲学・考え方を受け継ぎながら、ゆかりある京都の地からイノベーションを促進し、文化発展と地域貢献に寄与するための活動に取り組んでいます。このたび活性化プロジェクトを行う菊浜エリアは、先代たちの挑戦の軌跡が残る、山内家にとって思い入れの深い地域です。山内家の挑戦を見守ってきた菊浜エリアが、今後新たな歴史を刻んでいくために、地域の皆さまの声を聴きながら誠意をもって地域貢献・支援活動を行ってまいります。
また、同エリアの一部には、かつての花街や暴力団関連施設などの履歴を持つ複雑な側面がある土地がありますが、地元自治体や関係当局のご協力を仰ぎ、また住民の皆さまにご意見を伺いながら、地域活性化のために、適切な形で取得・再活用してまいります。それらの土地がかつてのイメージを引きずったまま廃退していくのを放置するのではなく、我々があえて風評上のリスクをとり、地域のために活用することで、地域が新たな歩みを進める一助になることを切に願っております。
「菊浜エリア」を単に観光地化・商業地化するのではなく、新たな創作活動やビジネスが生まれる仕組みづくり
山内財団およびYN10は、今後30年の長期的視点を持ち、長い期間をかけながら、菊浜エリアを単に観光地化・商業地化するのではなく、新たな創作活動やビジネスが生まれる仕組みづくりなど、これまでの地域住民と未来の地域住民の皆さまにとってより魅力的な町として活性化させるため、地域に根差す町の関連人口が増えるような以下の活動・取組みを検討しております。
● 京都発のイノベーションを起こす拠点としてのエコシステム創出
(グローバルなクリエイター、アーティスト、研究者、起業家などの活動拠点の整備)
● 地域住民、イノベーション人材など様々な方々の憩いの場となる飲食・交流施設の整備
※今後の計画の具体化段階で、自治体・地域住民等との協議により計画に変更が生じる場合があります。
「菊浜エリア」を単に観光地化・商業地化するのではなく・・・
山内財団およびYN10は、これまでに「菊浜エリアの12件の土地・建物」を新規に取得
(3) 今後の「菊浜エリア活性化プロジェクト」の取り組み
山内財団およびYN10は、これまでに菊浜エリアの12件の土地・建物を新規に取得しており、今後も長い時間をかけて周辺地域の活性化を進めていく方針です。いたずらに観光地化・商業地化するのではなく、地域の文化や歴史を感じる雰囲気を残しながら、未来に永続していく持続的発展のための地域創成を目指します。
現在所有している土地・建物については、初代山内房治郎が創業した山内房治郎商店があった土地のほか、過去にお茶屋や遊郭として使われていた土地・建物、暴力団事務所が所在した履歴のある土地なども含まれています。いずれも直近の所有者が反社会的勢力や反社会的勢力の密接交際者ではないことを確認の上、地元自治体や当局のご協力を仰ぎ、専門家のアドバイスもいただきながら慎重かつ適切な手段で取得を進めて参りました。今後、これらの土地・建物について、2025年~2030年を目標に、クリエイター、アーティスト、研究者や起業家など分野を横断した人材が交流し意見交換を行うための施設など、順次プロジェクトを進めていく予定です。私たちのネットワークやリソースを活かし、菊浜エリア、京都、そして日本に、様々な挑戦が増えるためのサポートに尽力していきます。
いたずらに観光地化・商業地化するのではなく・・・・・・
山内家について
1947年には任天堂の前身である「丸福株式会社」を設立
山内家について
1889年、初代の山内房治郎が花札・かるたの製造や販売をする会社として「山内房次郎商店」を創業。1947年には任天堂の前身である「丸福株式会社」を設立。3代目社長山内溥が保有した株を、山内克仁、山内万丈を含む4人が相続。現在は、山内克仁が代表を務める山内財団、株式会社山内、山内万丈によるYamauchi-No.10 Family Officeの3社を総称して山内家とする。
一般財団法人山内財団は、京都や日本の文化振興や社会課題の解決に取り組む組織を目指し、Yamauchi-No.10 Family Officeは、任天堂創業家の資産を背景に、幅広く社会貢献活動を行う組織になることを目標とする。
菊浜地区とは
菊浜学区は、北は五条通りから南は七条通り、東は鴨川から西は河原町通りに至る区域に位置し、学区の中を森鴎外の小説「高瀬舟」の舞台である高瀬川が流れています。 学区には23町あり、現在約1300世帯、約1900人が居住しています。
https://kikuhamarengoukai.wixsite.com/kikuhamarengoukai/home-2
五条大橋からの鴨川。
五条大橋
河原町五条・北西角には京都銀行の土地に開発したホテル『ホテルタビノス京都』。コロナ禍の中、2021年7月30日開業となりました。好立地に店舗を持ちながら有効活用できていなかった銀行。店舗不要の時代になりつつある銀行業界は新たなビジネスに取り組み始めています。
銀行店舗が入っています。1階はセブンイレブン。
南東角には1階にフレスコが入る京都建物ビル。
その裏にはコスモスイニシアのアパートメントホテル「MIMARU」。コロナ禍の始まりのタイミングと共に2020年2月6日開業しました。
南側は趣ある路。
個性的な建物です。
伝説のカフェ「エフィッシュ/efish」はもうありません。
レアルのRinnが見えました。
川間食堂から南に下がります。
煙をモクモクと吐き出すレバノン料理屋さん。
HOTEl LIVE MAX京都鴨川前
2019年5月開業しました。
高瀬川沿いには中国系っぽいゲストハウス。
同じく高瀬川沿い
Gojo Paradiso ゴジョウパラディッソ
無国籍創作ダイニングバー
その無国籍の南には元暴力団の組事務所の跡地。京都市内の不動産業者に売却されたと聞いていましたが。
2022.5.13 京都新聞記事より
指定暴力団七代目会津小鉄会(京都市左京区)が以前本部として使用していた下京区のビルと敷地が不動産業者に売却され、解体工事が始まったことが12日、分かった。
不動産登記によると土地は約760㎡、ビルは1989年築の4階建て。これまで会津小鉄関係者が役員を務める会社に所有権があったが、今年4月8日に京都市内の不動産業者に売却された。
どうなるか見守っていました。
遂に行く末がわかりました・・・・
2022.5.13 日本経済新聞
同地区の銭湯『梅湯』の隣に「利用者が長居してくつろげる場所」(山内氏)を設置したりすることを検討する。
各施設の開業時期は未定。「サクラダ・ファミリアのように、利用者のニーズに合わせながら少しづつ完成に向かうプロジェクトにしたい」(山内氏)として、50年を見据えて開発を進める。
サウナの梅湯の隣、
暖簾の向こうに更地が見えました。
奥のツタに覆われた建物がなかなかの雰囲気を出しています。
「梅湯」の裏手に回ると
菊浜地区・五条楽園の栄枯盛衰を見守って来た、「おでん八千代」
インバウンド時はここにコインランドリーがありました。古くからの街並みに劇的な変化が起こっている事をコインランドリーを見た時、感じさせられました。
今は稼働していません。
風情がありすぎる京町屋が並んでいます。
雲町家、この暖簾はあちこちで見かけるような。
東隣の建物はどうなるのでしょう。
老朽化した建物を管理維持するには「安くないコスト」が必要で、「安くないコスト」を支払うためには「活用して収益をあげる」必要があり、「活用して収益をあげる」となるとこの京町屋の魅力を最大限アピールでき毎日収益を見込める⇨「宿泊施設」という選択になるのでしょうか。
近くには2012年オープンのにこみ屋 六軒。オープンはインバウンド前、すでにディープな街のお店が注目を集めつつありました。
HOTEL LIVEMAXの裏手(鴨川側)に更地。
「お茶屋」の看板。
鴨川側にでると宿泊施設が立ち並んでいます。
一際、目をひくガラス張りのバルコニーが印象的な建物。
鴨川ビュー。
鴨川の反対岸から見ると
入り口に回ると
GENJI KYOTO
※2022.4.28 日本経済新聞 記事より引用
ホテル投資回復 外資強気目立つ
京都市内に4月、高級ホテル「Genji Kyoto」(源氏京都)が開業した。鴨川のほとりという好立地に加え内外装のコンクリートに木目を浮き立せて和の雰囲気を出すなど、こだわり抜いたデザインが特徴だ。客室数は19で、平均客室単価の目安は5万円以上。総事業費は20億円弱にのぼる。源氏京都の開発には香港の複数の投資家が資金を出した。資産家の一人は日本を含むアジアで不動産開発の経験があり、高い宿泊需要が見込めるとして京都での投資を決めた。「コロナ後は高品質で衛生的な施設に長期滞在するニーズが高まる」とみる。
そのホテルの近くには標識が設置された古家がありました。
(仮称)GENJI MACHIYA 1
・木造2階建・1室(5人)
名前に「1」がついているという事は「2」もあるという事でしょう。
その南には「任天堂創業の地」があります。
任天堂の旧本社社屋ホテル「丸福樓」4月1日開業しました。運営はプラン・ドゥ・シー(Plan・Do・See)です。(京都ではブライダイルとして有名なザ ソウドウ 東山 京都の運営もプラン・ドゥ・シーです)
「丸福樓」は約90年前の昭和初期に建てられた旧本社社屋を活用した既存棟と新築棟からなり、安藤忠雄氏が設計監修を手掛けています。。任天堂の前身である山内任天堂は1947年、花札やかるた、トランプを製造・販売する「丸福」を設立。その社名をホテルの名称に含めたとの事です。
18室ある客室の広さは、33m2~79m2。宿泊料金(税込み)は、朝・夕食と飲み物、軽食を含む1室2人の利用で、1泊10万円から。
東側のホテルには「管理物件」の看板が設置されています。
西側のホテルは1階が改装されているようです。
偉大なる鴨川。
闇雲に観光地化されていく故郷を自分たちの手で食い止め発展させていく、そんな強い思い。
山内財団およびYN10は、今後30年の長期的視点を持ち、長い期間をかけながら、菊浜エリアを単に観光地化・商業地化するのではなく、新たな創作活動やビジネスが生まれる仕組みづくりなど、これまでの地域住民と未来の地域住民の皆さまにとってより魅力的な町として活性化させるため、地域に根差す町の関連人口が増えるような以下の活動・取組みを検討しております。
● 京都発のイノベーションを起こす拠点としてのエコシステム創出
プレスリリースより
(グローバルなクリエイター、アーティスト、研究者、起業家などの活動拠点の整備)
● 地域住民、イノベーション人材など様々な方々の憩いの場となる飲食・交流施設の整備
私が社会人になりたての20数年前、まだ組事務所は存在していました。この正面通を車で通り抜けた時の「鼓動が高鳴る記憶」がありありと蘇りました。
高瀬川沿いにはカフェや個性的なお店ができています。
高瀬川に腰かけクラフトビールを飲む素晴らしい景色が見えます。
宿泊施設が軒並み立ち並んでいます。
さらに南に下がっていくと七条通。「菊浜地区」はここで終わります。
そこから南は「崇仁地区」。
お好み焼きが美味いと自信をもってお勧めできる店舗の外観はだいたいこんな感じです。
圧倒的なコストパフォーマンスと美味さ。次世代に残さなきゃいけない「銘店」ですが、ここにも立ち退きが迫っているとの事でした。
京都市立芸術大学建設から響く工事の音。
昨日、5/14(土)の京都駅。この2年ほど感じれなかった地鳴りのように鳴り響く「人々の声」が共鳴しています。
修学旅行生達も帰って来ました。
京都駅が躍動し始めました。
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