(2018.9.8 京都新聞 朝刊記事より引用)
関空被災で京都の訪日客減少
宿泊施設キャンセル相次ぐ
台風21号の被害を受けた関西空港で国際線が運航できなくなっている影響が、京都の観光産業にじわりと広がっている。外国人が多く訪れるスポットは普段に比べると客足がやや減り、宿泊施設では海外からの予約キャンセルが相次いだ。観光関係者は、関空の早期復旧を願うとともに、今後の動向を注視している。
アジア系の訪日客を中心に人気を集める伏見稲荷大社(京都市伏見区)。7日は国内の修学旅行生や個人旅行の外国人などの姿が見られたが、境内で土産物店を営む池田和之さん(74)は「外国人の数がいつもより少なく感じる」と話した。
同大社では、台風21号の強風で千本鳥居が数カ所で破損。一部を通行止めにしていることに加え、関空閉鎖も人出に影響していると見られる。池田さんは「閉鎖が長引くと、商売にも影響が出かねない」と懸念する。
嵯峨野観光鉄道(右京区)が嵐山と亀岡を結んで運行するトロッコ列車も、訪日客の利用が多いが、同社総務課は「いつもより乗客が少ない」と話す。
リーガロイヤルホテル京都(下京区)では、台風21号が直撃した翌日の5日に宿泊予約全体の1割にあたるキャンセルが発生した。大半が海外からの予約だった。6日はキャンセルが数件に減る一方、ほぼ同数の新規予約が入ったため、影響はほぼなかったという。ホテルグランヴィア京都(同区)も「インバウンド(訪日客)のキャンセルが目立つ。空いた部屋を再販売するなどしてリカバーに努めている」と話す。
市内のある旅館は4日以降、韓国や米国などのキャンセルが計25件に上った。全体の1~2割程度といい、おかみは「日本全体で天災が多いとして来日を控える風評被害が起きないか心配。外国人観光客に依存する経営はリスクが大きいので、国内客を大切にしていきたい」と話した。
中京区の繁華街にあるホテルの支配人も「団体ツアーなどで百万円単位のキャンセルが出ている。先が読めず、今後も予約取り消しが増えないか懸念している」と述べた。
市観光協会は「欧米客は羽田や成田経由が多いのでそれほど影響はないが、アジア圏の観光客は格安航空が多く発着する関空の利用が多いため、来日をキャンセルしているようだ」と分析する。
同協会の調査によると、7月の市内主要39ホテルの外国人利用割合は前年同月比7・1ポイント増の52・1%に上った。訪日客への依存度は高まっているだけに「風評被害が広がらないよう、海外に向けてしっかり情報を発信したい」としている。
台風21号が
過ぎ去った嵐山。
(写真は2018.9.6撮影です)
濁った保津川。
渡月橋
右手の歩道が通行止めになっていました。
ヒノキ製の欄干が倒壊しています。
復旧時期は未定です。
せっかく盛り上がってきた
インバウンドの熱。
予期せぬ災害。
風向きが一発で変わる恐ろしさがありますね。
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