観光の都 再び集客へ着々
高級ホテル相次ぎ開業コロナ禍で観光客が大きく落ち込むなか、京都市内で開業が相次ぐ高級ホテル。運営主体となる海外の有力チェーンなどがターゲットに見据えているのは富裕層のインバウンドだ。
2022.7.27日本経済新聞
米国の大手旅行雑誌「トラベル・アンド・レジャー」が読者投票でまとめる世界の人気観光都市ランキング。コロナ禍の2021年も京都は5位に食い込むなど、海外での注目度は高い。
関西では2025年国際博覧会(大阪・関西万博)が世界から観光客を呼び込む格好の機会になる。日本政策投資銀行の推計によると、客室単価が10万円を超えるホテルの客室数が26年時点で京都府は1373室となり、富裕層の宿泊需要をほぼ満たすことができるという。一方、大阪府の1143室は富裕層の宿泊需要の受け皿としては5割にとどまる見通しだ。
2022.7.27日本経済新聞
ヒルトン・ガーデン・イン京都四条烏丸/2022年11月6日開業
・下京区烏丸通松原下ル烏丸町
・全250室
ビジネスホテルライクな立地で、高級ホテルではないと思われますが。
阪急「烏丸」駅から徒歩5分。「ヒルトングループによるカジュアルブランド「ヒルトン・ガーデン・イン」が日本に初上陸!! 館内にはオールデイダイニングのレストラン「Together&Co.」のほか、24時間営業のセルフサービス式店舗やフィットネスルームも設ける。
河原町松原下る。
『ヒルトンガーデンイン』ブランドが日本初進出です。
烏丸通面す。
これから京都市内に開業する高級ホテル
旧鳴滝寮/2023年開業予定
・右京区宇多野御屋敷町
・10室
旧鳴滝寮は1939年に京都の電力会社重役の邸宅として建築されました。昭和初期の大規模邸宅建築として貴重な歴史的建築物。「上質宿泊施設誘致制度」活用してホテルニューアワジが2階建の木造建築の高級ホテルとして開業。
「宇多野御屋敷町」のバス停。その名の通り大きな邸宅が建ち並ぶエリアです。
昭和初期の大規模邸宅建築として貴重な歴史的建築物です。
開発事業者はホテルニューアワジ。
デュシタニ京都/2023年9月開業予定
・下京区本願寺門前町
・147室
京都駅から850m(徒歩11分)、本願寺門前町の「京都市立植柳小学校」跡地にタイの高級ホテルブランド「デュシタニ」が日本初上陸。ゲストルームはすべて40㎡以上で、全客室の約10%がスイートルーム。タイをテーマにしたオールデイダイニングのレストラン、和食レストラン、ロビーラウンジ&バー、ファンクションルーム、フィットネス施設を備える予定。
西本願寺。
オリエンタルな正面通。
開発は安田不動産(東京都千代田区)。
京都市が年額8161万円で貸付、貸付期間は60年です。MICEに対応した多目的室、集会所などの自治会活動スペース、植松公園の再整備も進めます。
西洞院通側から。
帝国ホテル「京都・祇園ホテル計画」/2026年春開業予定
・東山区四条通大和王寺東入祇園町南側
・約60室
帝国ホテルとして30年ぶりの新規出店。東京、上高地、大阪に次いで4軒目となります。京都・祇園甲部歌舞練場敷地内の弥栄会館の一部を保存活用します。宿泊代は既存の帝国ホテルより高くし、1室1泊10万円台の市内の外資高級ホテルを見すえた五つ星級のグレードにする計画です。投資額は110億円を予定。弥栄会館を所有するのは、芸舞妓の教育機関を運営する学校法人「八坂女紅場(にょこうば)学園」。改修費は帝国側が負担し賃借して運営します。
館内には客室の他にレストラン、バー、ウェルネス施設(スパ、プール、フィットネスジム)を設置予定。
1936年完成の築80年を超える国の登録有形文化財に指定の『弥栄会館』は重層的な屋根や塔屋の形姿が特徴的な建物です。新しい本棟建設にあたり、既存躯体(くたい)の保存や建材の再利用を行い、屋根形状や外壁位置などのシルエットを継承します。
裏から見た「弥生会館」。
北側の通り。
北面はお茶屋が建ち並ぶ街並みと調和したデザインになるようです。完成予想図がこちらです。
京都東山 SIX SENSES/2024年春開業予定
・東山区馬町通妙法院北門前妙法院前側町
・81室
2019年12月営業終了した「ホテル東山閣」跡地に世界的ホテルチェーンのIHGが展開するラグジュアリーホテルブランド「SIX SENSES HOTELS RESORT SPAS」が日本初出店です。客室面積は 42 ㎡~231 ㎡で、ハイエンドな顧客のニーズに対応するための2つのレストラン、 3つのバー、スパ、ジム、トリートメントルーム、プールなどを擁し、シティリゾートをコンセプトとした計画です。
東大路通、『フォーシーズンズホテル京都』の向かいに
サムティが、資本業務提携先であるウェルス・マネジメント株式会社が推進中のホテル開発プロジェクト「シックスセンシズ京都プロジェクト」に匿名組合出資しました。
完成予想図がこちらです。
京都東山バンヤツリー/2024年春開業予定
・東山区清閑寺霊山町
・52室
2019年10月末で営業を終了した旧「ホテルりょうぜん」の跡地にシンガポールに拠点を置く「バンヤンツリー ホテルズ&リゾーツ」が日本初進出する。レストラン、バー、ライブラリー、温泉、ジム、数々の受賞歴を誇るバンヤンツリー・スパの開発を予定しています。マスターアーキテクトは建築家の隈研吾氏が担当。京都市中心部で初めて、且つ唯一のラグジュアリー 温泉ホテルとなります。さらに、大きな特徴として、京都市内のホテルで唯一となる能舞台を建設予定との事です。
パークハイアット京都のさらに上、
坂を登ります。
こちらの物件も『京都東山 SIX SENSES』と同じくサムティがウェルス・マネジメントグループと共同出資です。
ヒルトン京都/2024年4月開業予定
・中京区河原町通二条下る二丁目下丸屋町
・313室
2018年1月に閉館した『京都ロイヤルホテル&スパホテル』跡地に建設されます。外観は、“京都の奥行きのある装い”で建物を包み込むデザインを想定しているという。内装デザインは、“ORIMONO(織物)”をテーマに、様々な糸で紡ぐ織物をイメージした空間で「京都SYNAPSE」の世界感を実現する。なお、内装デザインは、これまでコンラッド大阪をはじめ数々のラグジュアリーホテルを手掛けてきた橋本夕紀夫デザインスタジオが担当。ホテルには、オールデイダイニング、バー、スペシャリティレストラン、カフェなどの料飲施設、ジム、屋内プール、宴会場・会議室などを兼ね備える予定です。
河原町御池下る。
河原町通沿い東側。
一部が教会の敷地でした。。
開発事業者は『東京建物』です
リージェント京都/2024年開業予定
・左京区岡崎東天王町
・86室
1970 年に誕生した「リージェント ホテルズ&リゾーツ」によるラグジュアリーホテルブランド「リージェント」が、1928年創業老舗料亭「岡崎つる家」の地に誕生します。「岡崎つる家」は英エリザベス二世やダイアナ妃、米ブッシュ元大統領、仏ミッテラン元大統領など、各国王族や元首、令夫人などの要人に加え、内外の文化人にも愛された、由緒ある和の迎賓館でした。新たに誕生する「岡崎つる家」、複数のレストランに加え、ロビーラウンジ、バー、フィットネスセンター、スパなどの施設が予定されています。
白川通と丸太町通との交差点「天王町」
交差点角に立つ建物が『岡崎つる家』
草が伸び放題の敷地が見えました。
南側。
シャングリ・ラ京都二条城/2025年3月開業予定
・上京区竹屋町通大宮東入藁屋町
・77室
サムティはアフターコロナのホテル需要の回復を見込み Shangri-La Asia Ltd.(シャングリ・ラグループ)を共同事業者として『(仮称)シャングリ・ラ京都二条城』(京都市上京区)を開発すると発表。アジア太平洋、中東、北米やヨーロッパの主要都市を中心に展開する、5つ星のラグジュアリーホテル世界的なホテルチェーン「シャングリ・ラグループ」。2009年3月にシャングリ・ラ ホテル東京がオープンして以来、約15年ぶりの開業で、国内2ヶ所目です。平均客室面積は京都市内最大級となる約57㎡を予定。
二条城の北。
元々はここで『日本リゾーツ』による壮大な開発「京都二条院離宮構想」が検討されていましたが頓挫。その後『オープンハウス』に土地が渡りました。
夢の続きが始まります。
カペラ京都/2025年夏開業予定
・東山区大和大路通四条下る四丁目小松町・東山区新道通団栗下る二丁目下柳町
・92室
シンガポール発のラグジュアリーホテル「カペラ」が日本初上陸です。「カペラ京都」は、地域住民に100年以上愛されてきた新道小学校跡地にホテルを新設し、近接する「宮川町歌舞練場」や地域施設の建て替えを行う、NTT都市開発による再開発プロジェクトの一環としてオープン。建築デザイン監修は、隈研吾建築都市設計事務所が手がけます。
京都ゑびす神社の南。
大和大路通の西側。
ローズウッド/2025年開業予定
・上京区相国寺門前町
・135室
Rosewood Hotels&Resortsは、世界16か国で27のホテルを運営する国際的な高級ホテルおよびリゾート会社で、現在、香港を拠点とするRosewood HotelGroupが所有。日本では2024年に宮古島に初進出する予定で、京都はそれに続く出店となります。4つのレストラン、2つの宴会場、プール、スパ、ジム等を備えたフルスペックのホテルになります。
相国寺の北側になります。
「旧京都産業大学附属中学校・高等学校」跡地になり開発事業者は『三菱地所』。
京都御室花伝抄/開業時期未定
・右京区御室芝橋町
・67室
「ドーミーイン」を展開する共立メンテナンスは、右京区仁和寺前に高級ホテルを建設します。建設予定地は「第一種住居地域」で本来は延床面積3000㎡以下のホテルしか建設できないのですが、京都市の規制緩和制度「上質宿泊施設誘致制度」が初適用され延べ床5800㎡のホテルが建設できるようになりました。地上3階、地下1階のホテルには茶室や温泉を備え、館内の壁や調度品に西陣織や京友禅など伝統産業製品を活用。仁和寺金堂でのお勤め体験、御室流華道1日体験など地域の魅力を生かしたサービスも提供します。
世界遺産「仁和寺」目の前。
土地は2015年に、コンビニやガソリンスタンドの出店計画が浮上し、住民らの反対で撤回された経緯があります。
強羅花壇/2026年春開業予定
・山科区日ノ岡夷谷町
・32室
強羅花壇は神奈川県・箱根で旅館を運営し箱根以外へ進出するのは初めて。2005年以降、遊休資産となっていた『九条山浄水場』。強羅花壇は京都市が提示していた最低価格の3億6千万円を大幅に上回る15億円でこの土地を取得しました。敷地には国の登録有形文化財に登録されている「旧御所水道ポンプ室」と関わりの深い2基の円形の沈殿池があり、新たな宿泊施設では歴史的、文化的価値のある沈殿池を保存しながらプールやエントランスロビーとして利用します。京都市街地を一望できるテラスや露天風呂なども設けます。
地下鉄蹴上駅から少し南に山側の坂を登ります。
山へ分け入ります。
ここからはどこまで高級かはわかりませんが・・・
『オープンハウス』ホテル計画/2024年開業予定未定
・上京区猪熊通丸太町下る中之町
・70室
「元京都社会福祉会館」跡地にオープンハウス上質宿泊施設誘致制度を活用しホテルを開業予定です。1階には、能舞台や二条城障壁画回廊、二条城の歴史紹介コーナーが設置され、宿泊客に対する文化発信が期待されるだけでなく、能舞台の設置を通じ、地域の子どもが文化芸術に触れる機会や若手芸術家の発表機会が提供され、京都市民の文化芸術活動の振興を促進する計画となっています。
二条城の北側。
このまま、西へ進むと『シャングリ・ラ京都二条城』計画地があります。
『三井不動産』(仮称)京都三条ホテル計画/2024年夏開業
・中京区三条通東洞院東入菱屋町
・185室
創業約300年の千切屋が所有する土地に三井不動産が建築し、竣工後は三井不動産ホテルマネジメントが運営を行います。京都市内で初めての展開となる三井不動産系のフラッグシップホテル「三井ガーデンホテルプレミア」。地下鉄「烏丸御池」駅から徒歩3分の立地。
京都文化博物館目の前。
三条通沿いの南側です。
京都中央郵便局建替『京都プロジェクト(仮称)』ホテル計画/2029年開業予定
・下京区東塩小路町
・客室数未定
「京都中央郵便局」と「京都駅ビル西第2駐車場」の再開発で地上14階、地下2階、高さ60mの高層複合ビルを建設する計画です。市が「都市再生特別地区」に決定すれば、京都駅ビルとほぼ同じ高さ約60mで、市の高さ規制31mを大幅に超える建設が可能となります。1階・2階は「商業施設」、3階~10階は「オフィス」、11階~14階には「ホテル」が予定されています。
京都タワー
京都駅ビル前、西側に京都中央郵便局があります。
11階~14階が「ホテル」になります。新ビルも高級ホテルの誘致を目指しているとの事です。
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